株式会社 ルネサンス
おもてなし規格認証2017 紺認証取得企業インタビュー
取得を通じて「ホスピタリティ」での差別化をアピール
株式会社 ルネサンス
スポーツクラブの中でも特に高い顧客感動満足を実現している、株式会社ルネサンス。同社は、「おもてなし規格認証2017」にて業界では初となる「★★(紺認証)」(以下、紺認証)を取得した。認定に至った背景やその効果について、同社営業企画部部長平野晃浩氏、同専任課長片山泉氏にお話を伺った。
(取材:小林 栄貴)
ホスピタリティを大切にし、顧客感動満足(CIS)向上に努める理由と、ルネサンスとして大切にしている事をお教えください。
当社は、心身の健康づくりのお手伝いを通して、お客様の生きがいと、スタッフ自身の生きがいづくりをサポートする「生きがい創造企業」です。Renaissanceの「Re」をモチーフに、元気あるふたりの人間を表したシンボルマークからもお分かりいただけるように、「人」にしかできない、「人」だからできることにこだわって、ルネサンスに関わる多くの方を幸せにしたいという思いで事業を展開しています。
ホスピタリティ精神をもって仕事を遂行することは、行動指針の最上位に掲げられています。また、ルネサンススタッフに求める5つの価値観の1つにはホスピタリティがあります。この5つの価値観は、アルバイトスタッフも含めた全スタッフから“大事にしたいルネサンスらしさとは?”を集めた結果をもとに2014年に作られたのですが、最も多く挙がった言葉が「ホスピタリティ」でした。
「人」にしか生み出すことができないホスピタリティによる感動サービスによってお客様とスタッフから選ばれ、その結果(従業員感動満足:EIS⇔CIS)⇒業績が実現する。EISを起点とするサービスプロフィットチェーンは約十年前から当社の大方針として浸透しています。
EIS向上を図って労務環境や報酬など衛生面の見直しも行なってきましたが、中でもホスピタリティを追求する取り組みがスタッフのEISに大きく影響していると感じています。働きがいのある会社として、GreatPlacetoWork®6年連続受賞も、その結果だと考えます。
社内でホスピタリティを浸透するためにどんな事に取り組んでいらっしゃるのでしょうか?
大きく2つございます。
1つは「スマイルシステム」という人材育成システムです。これは、雇用条件や部署・セクション、役職に関係なく、ルネサンスに入社する全てのスタッフが受講する接客接遇の心構えと接客方法を学ぶシステムでスマイルインストラクター(指導者・全社に500名・チャレンジ制)によって、段階的・継続的にホスピタリティ精神と感動サービスの追求を行なう環境をつくっています。
もう1つは、「ホスピタリティミーティング」の開催と取り組みの展開です。このミーティングは10クラブ前後のエリア単位で開催しているミーティングで、各クラブのホスピタリティリーダーが集合しホスピタリティの実現に繋がる取り組みを考え推進しています。今年度からは、情報誌や書籍から抜粋した情報をもとにディスカッションしたり顧客体験を通して顧客視点の幅を広げる取り組みなど、推進に繋がるインプットも増やしています。
これらの仕組みを通して、お客様に感動していただけるサービスを提供できる人財を磨き続けています。
御社がおもてなし規格認証を取得するメリットをお教えください。
スポーツクラブは提供する施設や商品の内容が似ているため、お客様にとって比較(選ぶこと)が難しいと考えています。まだルネサンスを利用したことがないお客様に、私たちの姿勢や思いをどうやってお伝えすればいいのか常々考えておりましたので、「おもてなし規格認証」という認証機関の評価はまさに“お墨付き”。自信をもってお客様にアピールできるようになりました。意図していなかったメリットとして、紺認証の取得がこれまで自分たちが取り組んできたことの答え合わせになり、それが認められたことによって喜びや自信というEISに繋がりました。
お客様の期待値が高まることを不安に感じる反面、紺認証にふさわしい施設・スタッフになろうという自覚や責任意識、改善意識も高まっていますし、サービス産業全体で求められる審査基準を知ったことで、自業界・自社の遅れに気づいたスタッフの積極的な提案や行動も見られます。また、更新制である点も、意識と行動の継続的なモチベーションに繋がっていると考えています。
審査のプロセスで得られた事はどんなことでしたか?
まず、覆面調査で気づきがありました。例えば当社では、トレーニングジムでご案内するトレーナーは、エリア毎の担当制でお客様をサポートしています。初めてのお客様をご案内する際、「(この時間のこのエリアを)担当する○○です」と挨拶するようにしていますが、(カッコの中)をお客様に伝えないことでマンツーマン指導なのだと誤解をしてしまい、「急にいなくなった」「担当が変わる挨拶がなかった」等の不要な不満に繋がっていることが分かりました。
覆面調査自体は10年ほど前から導入していますが、自分たちが設計していない調査項目(設問)での覆面調査は初めてでしたので、気づいていなかったお客様視点を知ることができたことは、とても大きな気づきになりました。
また、審査員による現地審査では、様々な業種を横断的に審査する審査員の方からの指摘やアドバイスが大変参考になりました。当社では、この業界では、“あたりまえ”のことが、お客様や他業種から見ると“あたりまえではない”ことに気づけたことは、お客様と共創関係を築きたい当社にとって、大きなステップになったと考えています。
今後も認証を取得された事業所の方のお声をご紹介していきますので、ぜひご覧ください。